2015年1月14日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【289】

【ニュース】”大阪出身の在日同胞2世はなぜソウル駅でホームレスになったのか”(1月14日 ハンギョレ新聞日本語版http://japan.hani.co.kr/arti/politics/19321.html)
『在日同胞2世のカン氏(78)は、昨年3月、スーツケース一つだけもって大阪にある4階建ての自宅を出た。 3年前に妻と死別し一人で住んでいたところだ。彼は「二度と戻らない」という手紙を二人の息子に残した。
慶尚南道河東(ハドン)が故郷のカン氏の親は日本植民地時代に日本に渡った。トンネルとダム工事現場で肉体労働をした。カン氏は日本で生まれた。教育は小学校1年に通ったのが全部だ。近所の朝鮮人のおじさんにハングルを少し教わったが、今は読めない。韓国語もあまりできない。
彼は自分のように日本で生まれた韓国人の妻と結婚して二人の息子に恵まれた。製靴工として働いていたカン氏は39歳の時、小さな焼肉の店を開いた。妻は料理が上手だった。猫の額みたいほどの店が一度に100人まで入るほど大きくなった。お金も結構貯まった。
しかし、苦労をともにしてきた妻が他界すると、突然すべてが変わり始めた。財産を二人の息子に分け与えてからむしろ関係が疎遠になった。歩いて10分の距離に住んでいる息子は父を遠ざけた。長男は日本に帰化して日本名を名乗り日本人の妻と暮らしている。
カン氏は、「お金をたくさん稼いではならない。一度お金が手を離れれば心は戻って来ない」と目頭を赤くした。
カン氏は「苦しい。こんな生活に疲れた」と手紙を残しては仁川空港行きの飛行機に乗った。親の故郷である河東と亡くなった妻のゆかりの地である大邱(テグ)を訪れた。板門店にも行ってみた。
残りのお金でフィリピン旅行に行ったカン氏は現地で詐欺に遭った。仁川を経て大阪に帰る飛行機のチケットだけやっと買えた。しかし、仁川空港に降り立ったカン氏は大阪には行かなかった。カン氏の韓国でのホームレス生活はこうして始まった。彼は 「韓国で死にたかった」と話した。
彼は子供の頃、母から聞いた「ご飯食べて」「早く来て」など簡単な韓国語しかできない。仁川空港で数日寝泊まりしてから、目的地もなくただ道路に沿って歩いた。空腹で三日を過ごしたあげく、公園で倒れているのを発見され、ソウル駅の近くのホームレス施設に移された。
施設の関係者は日本に帰るように説得したが、彼は「韓国で暮らす」と聞きいれなかった。韓国語もろくにできない老人に優しく接してくれるホームレスは多くなかった。それでもパンと海苔巻きをもらいソウル駅地下道で夏を迎えた。あるホームレスが無料食堂を教えてくれてからはご飯も食べられるようになった。ソウル駅待合室であまりわからないテレビを見て時間を過ごした。
ホームレスの人権団体「ホームレス行動」の活動家がカン氏を発見したのは、ホームレス生活が四カ月目に入った昨年8月初めだ。カン氏は健康状態が非常に悪かった。ホームレス行動は、入居できる施設を探したが、住民登録番号がなく、入れるところがなかった。外交部に在外国民永久帰国届を出し日本の永住権を返却してから、住民登録証を発給してもらえた。また、基礎生活受給者の資格も得て考試院で暮らせるようになった。
8日訪ねたソウル龍山(ヨンサン)区漢江路(ハンガンノ)の鉄道周辺考試院には小さなベッドとテレビ、冷蔵庫一つが生活用品の全てだった。数分間隔で電車が通るたびに、部屋も一緒に揺れた。
彼は時々無料乗車券をもらい地下鉄に乗ってあちこち歩き回っていると話した。終点まで行ったこともある。 「東大門駅の近くで売っている2500ウォンのもやしクッパがオモニの味」だったそうだ。昨年の大晦日には地下鉄を乗っていたら雪が降ってきた。 「悲しくて涙がたくさん出た」。
カン氏は週に一度はホームレス行動の事務所に行く。同じ境遇のホームレス、箱房生活者と卓球をして暇をつぶす。ここで会った人々は大阪出身である彼に「東京」というニックネームを付けた。ホームレス行動の紹介で会ったある会社員は仕事帰りにカン氏の家に寄って日本語で話し相手になってくれる。彼はカン氏に韓国語教材と鉛筆をプレゼントした。カン氏は「ホームレス生活から脱出できるよう助けてくれた人たちにはとても感謝している」としながらも、「小学校に通う末っ子の孫娘に一番会いたい」と涙を見せた。
しかし、カン氏は「日本には帰りたくない」と言った。 「もう長くないので韓国で死にたい」と話した。在日大韓民国居留民団地域支部の関係者は13日、「在日同胞2世とその子供の間では価値観の違いで苦しむ場合が多い」と話した。
パク・テウ、キム・ジウン記者
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/673486.html 訳H.J』

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