2014年6月11日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【258】

◎【学習】映画「地の群れ」
『”海と毒薬”(1986)などの作品で知られる熊井啓監督が、井上光晴の同名小説を映画化。未開放部落・在日朝鮮人・被爆者・基地を通し「戦後の暗黒」を告発。感傷を拒否した鋭い映像で人間を描く。
昭和40年代前半の佐世保。
そこには長崎で被爆し体と心に傷を負った者たちがいつしか住みついた集落がある。住人らを奇異の目でながめ蔑視する地元民。
しかし、その土地にはもうひとつ部落差別の暗い歴史が存在していた。
少女への強姦容疑をかけられながら被爆死した母の影を追い続ける青年。
原爆症に苦しむ娘をもちながら自らの体験をひた隠しにする母親。
それを目の当たりにする開業医の宇南にもまた、暗く拭いきれない過去の傷があった』
自分より”下”のものを見出すことで少しでも自身を優位に置こうとする人間の業をまざまざと表現している本作品。
戦争、被爆という極限的に人間の肉体も精神も破壊する物事に直面するとき、その業は一層はっきりとその姿を現します。
人間誰しもが持っているその深い闇を自覚しなければいけない。
井上光晴氏は他の作品でも被爆の被害について書いています。
「血がとまらない」と。氏の作品によく出てくる表現です。
放射線障害の恐ろしさを表したもので、氏は原爆による”被爆”だけでなく原子力発電所での”被曝”についても描いています。

◎【訃報】ぺ・チュニ ハルモニ(ナヌムの家より)
日本軍慰安婦被害者ぺ・チュニハルモニが8日亡くなられました。91歳。
京畿道廣州のナヌムの家は、ペ ハルモニが8日明け方5時頃、ナヌムの家で永眠されたと発表。
ぺ・チュニハルモ二の死去により、韓国政府に登録されている慰安婦被害者237名の中で生存者は54名に減少した。
故 ペ・チュニ ハルモニの略歴
1923年 慶尚北道星州生まれ
1942年 19歳の時、就職詐欺で強制動員
1945年 中国満州で4年間被害者生活
1980年 日本から韓国に帰国
1933年 韓国政府に被害者登録
1996年 ナヌムの家に入所
2014年 6月8日午前5時、「ナヌムの家」で老患により死去(92歳)

2014年6月4日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【257】

◎天安門事件から25年
1989年6月4日、中国の民主化を求める市民たちによるデモ隊に向かって中国人民解放軍が武力弾圧をした事件-天安門事件より25年がたちました。
25周年のこの日を迎えるにあたり、中国政府は言論の統制をおこなったり、60名を超える人物の身柄を拘束したりしたと。
依然として民主化は進んでおらず、少数民族の当局に対する反発の強まりとそれに伴う弾圧はエスカレートするばかりです。
民主とは。どこの国にも当てはまることとして、中国ロックの父・崔健の言葉を見てみます。
『国家というのは割合に偏狭で、自分を脅かすものがあると、すぐ民主ではないかと思ってしまうところがある。彼らは、民主とは要するに、もうひとつの党、もうひとつの軍隊のことじゃないかと恐れる。
でも、芸術家や人間一人ひとりにとっての民主とは、自由のことにほかならないんだ。』
『ほんとうの芸術とは、力量をそなえていて、ある種の腐敗とたたかい、ある種の現実と対抗していくものだと思う。
俺は、人びとを元気づけ、ますます人びとの力量を強めていくような作品を書きたい。
すると、ちょっとついて行けない、という聴き手も増えるかもしれない。行き過ぎだ、とか言ってね。でも、俺は思う。現在のことを書くのなら、行き過ぎということはない。なぜなら芸術家が反抗している相手は、もっと力量があるからだ。』
『俺は、みんなに自分を愛してもらいたい。国家を愛してもらいたい。歴史を愛してもらいたい。自分の履歴を愛してもらいたい。自分の未来を愛してもらいたい。』(岩波ブックレット359「崔健 激動中国のスーパースター」橋爪大三郎著)



2014年5月28日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【256】

爆弾集団的自衛権。行使できるようにしたくてしかたがない安倍首相。
行使できるようになればどうなるか。国民は良く考えなければ。
自衛隊は確実に戦争に巻き込まれ、戦争により人員を失えば、今度は一般国民が招集される。

”日本、朝鮮戦争の時、事実上参戦…集団的自衛権を行使した”(5月22日 ハンギョレ新聞日本語版http://japan.hani.co.kr/arti/international/17432.html
<要約(原文は上記アドレスにアクセスしてご覧ください)>
朝鮮戦争時、アメリカの要求により自衛隊の前身である警察予備隊が作られた。
その直後、アメリカ軍の指示に則り、日本の海上保安庁は特別掃海部隊を編成。
機雷除去に従事し、死傷者を出した。
『戦争中の国家の機雷を除去することは、該当国家の防御力を弱化させるので、国際法上明白な参戦行為と見なされる。』
例えば、今後もし、朝鮮半島に有事の事態が発生すれば、日本は間違いなく戦争に巻き込まれる。

2014年5月21日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【255】

ひらめき今日、大飯原発運転差し止め判決がでました。
「原発の稼働は法的には電気を生み出す一手段である経済活動の自由に属し、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきだ。
自然災害や戦争以外で、この根源的な権利が極めて広範に奪われる事態を招く可能性があるのは原発事故以外に想定しにくい。
具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然だ。」
画期的な判決。この世の中、まだ望みはあると思わせてくれる判決でした。
☆判決要旨 福井新聞 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/syosai/50559.html

メモ【学習】水俣を学ぶ
CDDVD「水俣病-その20年-」「水俣病-その30年-」
監督:土本典昭/1976/43分
膨大な記録フィルムの中から構成した、水俣病20年の解明の歴史と現在の水俣病をわかりやすく解説する決定版。
販売:シグロ(http://cine.co.jp/detail/0017.html
CDDVD:個人(「水俣病ビデオQ&A」「水俣の子は生きている」「鬼塚巌作品」他:6作品同時収録)
監督:佐藤真/土本典昭/鬼塚巌
1996、1965、1968~73/本編合計137分
「水俣病ビデオQ&A」歴史と現在を解説。構成:佐藤真。「水俣の子は生きている」土本典昭が初めて水俣に向き合った秀作。「水俣病1」他。チッソ労働者、鬼塚巌の貴重な記録
販売:シグロ(http://cine.co.jp/detail/0061.html

2014年5月14日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【254】

走る人【報告】「橋下市長の暴言から一年、安倍.橋下の歴史認識を問い続ける集会」に行ってきました
VAWW RAC(「戦争と女性への暴力」リサーチ.アクションセンター)の西野瑠美子さんの講演でした。
被害者に寄り添い、旧日本兵の方に聞き取りや現地に行っての調査、戦時中の資料の解明…たくさんの経験、事実との擦り合わせで得てこられてる話だけに説得力がありました。
「お金が欲しいわけではない、本当の事を言ってるのに何で信じてもらえない?」と思い出したくない経験を語ってくださる被害者に言わしめる私達。
末端の警察が「慰安婦」を集めてる業者を逮捕してしまった。その業者は警察に依頼されてると言う。そんな馬鹿なことはないと問い合わせをし、「いやいや、その通りなので、これからは、皆に徹底するように。」という文書がある。
裁判記録でも時期が遅かったと棄却になっても事実は認められてる(公文書)。
反対側の考えの人が「河野談話」を否定しようと雑誌「正論」に載せてる16人の一部の証言だけでも、当時でも禁止されてた未成年者にどんな扱いをしたのかがわかる。
私達は知ってちゃんと反論していかなければならないと改めて思いました。
映画「終わらない戦争」の宣伝映像も観て、被害者の方の生の言葉の力、また見なければと思いました。
ちなみに、反対側の考えの方も来られてたようで、演者への質問用紙に、「商売だった。お金をもらってた。優遇されてた。日本だけでなかった。」と書かれてたようです。

2014年5月7日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【253】

95月3日は憲法記念日。
憲法集会があちらこちらで行われました。安倍首相の「集団的自衛権」憲法解釈変更問題もあり、テレビでも憲法が話題に上っていました。
”「集団的自衛権」は砂川事件判決により認められている”との解釈も出てきて。
テレビ朝日モーニングバード中コーナー「そもそも総研」ではこれに対し疑問を投げかけています。
いろんな主義や思想の違いはあっても、戦争をやる方向に向かうことは絶対的な”悪”でしょう。
マスメディアの情報も見て、ネットも覗いてみて、集会にも行ってみて、戦争ができる方に傾いてることに危機感を持たなければ。

テレビ「そもそも総研」”最高裁判決は集団的自衛権の行使を認めているのだろうか?”(4月17日放送)
http://www.dailymotion.com/video/x1ozxn6_%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89-20140417-%E9%9B%86%E5%9B%A3%E7%9A%84%E8%87%AA%E8%A1%9B%E6%A8%A9-%E7%A0%82%E5%B7%9D%E5%88%A4%E6%B1%BA-%E9%AB%98%E6%9D%91%E8%A7%A3%E9%87%88-hd-2_news

テレビTBSテレビ[報道特集]”幻の“大島憲法””(5月3日放送)
『終戦翌年にGHQ・連合国総司令部は、沖縄などと共に伊豆諸島を日本から行政上分離することを決定。
柳瀬村長らは日本から独立した島として、独自の憲法を作り上げることになった。
手書きの草案は「大島大誓言」と名付けられていた。
23の条文からなり、大島の統治権は島民に在りで始まる。
主権在民、平和主義と日本国憲法にも通じる精神。』
http://www.miomio.tv/watch/cc67895/

スノボ明日の自由を守る若手弁護士の会
『自由民主党の「日本国憲法改正草案」の内容とその怖さを、広く知らせることを目的とする、 若手弁護士(弁護士登録期が51期以降=登録から15年以内)の有志の会です。 』
http://www.asuno-jiyuu.com/

2014年4月30日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【252】

カバン花こころ学習会で校外学習を実施しました。
水俣、長崎の旅です。
水俣は人がとても温かい町でした。
しかし、色々と水俣病の話を聞くと、この土地ならではの根深い問題の上に水俣病があるのだと知らされました。
土地の豊かさ、同時に存在する貧しさ。その豊かさと貧しさを利用して利益を貪る国家と大企業。
水俣を見ると、原発や基地の姿が重なります。
地方の原発で作った電気を都会の人間が使う。原発がある土地の葛藤も苦悩も被害も知らず。
水俣のチッソで作ったものを使って出来た製品を使ってる人間も然り。
その人間が私たち。
知らない罪。使ってしまっている罪。
罪をあがなう方法を見つけなければ。

◎長崎で漫画家の西岡由香さんとお会いしました。
原爆のこと、原発のこと、自然エネルギーのことなど平和に関することテーマに活動されています。
西岡さんのホームページhttp://sky.geocities.jp/yuka37jp/

◎水俣では水俣病歴史考証館・相思社でお世話になりました。
職員の方皆さん親切で、丁寧に水俣についてお話して下さいました。
ホームページhttp://www.soshisha.org/jp/

2014年4月23日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【251】

船韓国旅客船の事故。大惨事です。韓国は今、時が止まったようになっていますね。
日本もひとごとではありません。事故の原因と思しきもの。運営の体制。救助の遅れ。マスメディアの無神経な報道。
私たちはそれらをすでに体験しており、かつこれからもそれらに傷つけられる危険があることを知っている。
さらに自らが傷つける側になる場合もあることを忘れてはならない。

◎【訃報】李秀梅ダーニャン
中国人「慰安婦」裁判原告の李秀梅さんが亡くなられました。
詳しくは http://ianfukansai.blog.fc2.com/blog-entry-62.html で。

2014年4月16日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【250】

ふらふら顔さて、何を言うべきか。
腑に落ちない、腹立たしいことが多すぎて。
息苦しい世の中です。
政治家たちの下品な失言に、一瞬だけ怒った市民が、その揺り戻しみたいに愛国心のようなものを強く持ちはじめた。
マスコミの情報に右往左往し、簡単に流されてしまう市民。
それは政治や社会問題だけに限らず。今話題のSTAP細胞の一件が象徴的に物語っています。
研究者はいい加減。
研究組織は自身の利権を守るため保身に必死。
マスコミは研究の本質的なところに関係ない、いわばテレビ的(メディア的)に見栄えのいいところを取り上げ、囃し立て、ボロが出ると、手のひら返して突き落とす。
そして、そのマスコミの報道の浅いところをすくって、ころころと考えを変える市民。
「マスコミの言うことは事実の一部」でしかないと言うことをお忘れなく。
(マスコミに限らず、報道カメラマンのマナーは本当に悪い。自身を特別な人間だと思っているのか。人を押しのけ、入ってはいけない場所に入って無神経にカメラを回す。人権や平和を訴えている場でのその行為。そのような人に人権や平和を報じる資格はないでしょう。)

2014年4月9日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【249】

波済州島四・三事件。事件から66周年を迎えた今年、韓国では4月3日が国家追悼日となりました。
韓国安全行政部が主催した追悼行事に朴槿恵大統領は不参加。
国が指定する追悼日ということは国家が四・三事件を国家の過ちだと認めることだと評価されています。
ゆえに、朴槿恵大統領が追悼行事に参加することには大きな意味があったと思われますが……
いまだに当時のことを語れないで、悲惨な記憶を胸の中にしまったままの人もいるといいます。
傷は癒えず、癒えない間に、別の新しい傷がつけられていく。今そんな世の中であるような、そんな気がします。

◎【コラム】”〈ニュースの窓〉大量虐殺はなぜ起きたのか/4.3事件66周年に際し”(4月7日 朝鮮新報http://chosonsinbo.com/jp/2014/04/47sk-4/
<要約(原文は上記アドレスにアクセスしてご覧ください)>
◆米国の責任
米軍政による済州島民大量殺りくを物語の背景に描いた小説「順伊おばさん」を執筆した作家・玄基榮氏はこれを書いた翌年の1980年、保安司令部に連行され拷問を受ける。
折りしも光州事件がおこる年だ。
四・三事件、光州事件どちらも国家が国民を実力をもって弾圧した事件だ。当時、その事実を抹殺しようとする政治風土が存在していた。
1980年代後半、民主化運動が広がるが、これが四・三事件の記憶を伝え、真実を明らかにしようとする原動力となった。
真相究明は進み、2006年蘆武鉉大統領が初めて、国家元首として公式謝罪した。
一方、米国の罪も忘れてはならない。
「米軍政は、焦土化作戦を幇助し、警察を含めた討伐隊に武器を提供、人間が人間に、同族が同族に行う集団虐殺を眼を見開いて見守った。
また、彼らはそのときの殺傷を『日々報告書』にいちいち記録した。
にもかかわらず、彼らは口を開かないでいる…。韓国軍の作戦統制権を握っていた米軍は虐殺現場を放置したまま、ただ目撃しただけだったという。
このこと自体、米軍が大規模な民間人犠牲に対し責任を免れることはできない」
◆2代続く逆風の中で
四・三事件は過去のことではない。米国がイラクやアフガンで行っていることは四・三事件同様、現地の傀儡政権を隠れみのにした非人道的行為。
また、平和と人権のシンボルへと変わりつつあった島の歴史が李明博、朴槿恵政権と続くファシズム的政権により後戻りしているようだ。
これは犠牲者に対する許しがたい背信行為だ。

2014年4月2日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【248】

爆弾袴田事件、再審が認められ、袴田巌氏が釈放されました。
犯人でないにもかかわらず死刑宣告され、拘束された想像を絶する長く苦しい時間。
もう取り返せない時間です。
冤罪は本当に恐ろしい。
袴田事件にしても、冤罪事件のひとつである足利事件にしても、事件を映画にした監督や取材したジャーナリストは真犯人と思しき人物は分かっていると明言しています。
捜査関係者でない人が分かっていることを捜査した人間が知らないはずはないと思うのですが。
警察も検察も裁判官もミスを認めない。
過失もしくは故意に犯したものを早い段階で認めれば救われた命、人権は数多くあります。
それは冤罪事件に限らず。公害も原発も戦争責任も……
なんの因縁か、袴田事件の遺族である、味噌製造会社専務の長女が袴田巌氏が釈放された直後亡くなったそうな。……なんの因縁か

本【書評】”「教養としての冤罪論」森炎著”(ブック・アサヒ・コム http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014033100002.html?iref=comtop_fbox_d2_05

2014年3月26日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【247】

クローバー3月26日は大韓帝国の独立運動家・安重根(アンジュングン)が処刑された日です。
1909年10月26日、中国のハルビンで初代韓国統監・伊藤博文を暗殺し、ちょうど5ヵ月後に旅順で死刑に処されました。
最近、ハルビンに安重根記念館が建設され話題になり、安重根の名を耳にすることも。
菅官房長官は安重根を”テロリスト”と称したりしました。
日本側は日本人が殺されたのだから、そのように言うこともあるでしょう。
そして、いかなる理由があろうと、殺人は罪です。
しかし、その2点を理解した上で、安重根の思想を見つめてみた時、彼を単なる”暗殺者”、”テロリスト”とだけ称するのはあまりにも考えが浅いと言わざるを得ません。
彼が考えていた「東洋平和論」。
冷静に東洋と西洋を比較し、東洋は植民地政策を繰り広げている西洋のようになってはいけないと。
東洋のそれぞれの国は独立しながらもアジア共同体をつくり、協力しながら発展していくべきだと。
決して、日本を否定してはいないし、自国のことだけを考えているわけではないことが分かります。
今こそ、彼の考えていたことを深くかみ締める時ではないでしょうか。

テレビ”驚きももの木20世紀-伊藤博文を撃った男・悲しきテロリストの真実”
1995年に放映された朝日放送製作のドキュメンタリー番組。安重根を取り上げています。

2014年3月21日金曜日

2014年3月の学習

3.11震災の日をむかえて
震災から3年経ち、いまだに広がっているもっとも深刻な被害とは「原発事故」です。
”過去の教訓”ではなく、”現在進行形の問題”として、福島の被害を見つめます。

カチンコ映画「わすれない ふくしま」鑑賞
この映画は2011年5月福島第一原発北西に40キロの福島県飯舘村から始まり、そこから避難したある家族と、いまだ警戒区域で300頭の牛を飼い続けている畜産家の日常を追った記録だ。
その背景には、原発事故後、牛を殺処分させられた酪農家が自殺した事件、フィリピン人妻を持つ家庭の現実など様々な問題が存在した。
四ノ宮浩監督は震災直後の2011年4月下旬から福島に入り撮影を始め、2012年12月末までカメラを回し続けた。作品完成後も監督は福島を忘れないために現地に居続けている。』
 
首相のむなしい憲法論議 ~劣化する記者の感度~ 藤田博司”(日刊ベリタhttp://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201403030920141
▽最高責任者は私
▽メディアの反応の鈍さ
▽勢いづく右傾化に危うさ

2014年3月20日木曜日

水曜企画-ハルモニと共に【246】

ハート「愛国心」とは何か。
戦争のことや日本と外国との関係などについて見聞きしていると、「愛国心」とは何かを考えさせられます。
ヘイトスピーチをしている排外主義者は「愛国」者なのか?
”「日の丸・君が代」は国旗であり国歌なんだから否定する日本人はおかしい”と言う若い教師は「愛国」者か?
自分の国・民族が真に誇らしいものになることを望むことが「愛国心」だと言えるのでは?
そして、「誇らしいもの」とは過ちを消し去ろうとするものではなく、過ちを認め、謝罪し、再び起こさないよう努力するもののことを言うのでは?

◎【コラム】”鈴木邦男の愛国問答-勇気を持って「当たり前のこと」を言う”(1月8日 マガジン9http://www.magazine9.jp/article/kunio/10157/より抜粋)
『3月には孫崎享さんとの対談本が出る。去年の後半は何度か対談した。
年末の12月28日にも5時間対談した。これが5回目かな。
ペリーの黒船から始まって、長い日米関係について話し合ったのだ。なぜ、アメリカ相手に戦争をするはめになったのか。外交の力とは、軍隊とは、国を守るとは何か、といった話をした。
孫崎さんは元外交官で、外国での生活が長い。日本という国を背負って、外国と交渉する。自分が「日本」になるんだ。その体験から、外交史について講義してもらった。
又、明治維新以降の日本の歩みについて、一つ一つの「節目」について話し合った。
日清、日露の戦争で日本が「大勝利」をした。日露戦争は、かろうじて講和に持ち込めたのであって、本当は「大勝利」ではなかった。
でも、日本中が沸き立った。強国ロシアを破った。日本は神国だ。イザとなったら神風が吹くんだ。…と、大喜びし、そして思い上がった。
「負け戦」からは人は学ぶが、「勝ち戦」からは何も学ばない。傲慢になる。そこから日本の間違いが始まった。
日露戦争は「大勝利」ではなかった。アメリカの尽力で、かろうじて講和に持ち込めたのだ。
そのことを国民がキチンと知っていたら…。「そうしたらアメリカとの戦争はなかったでしょう」と孫崎さんは言う。
じゃ、国民が愚かだったのか。いや、政府や軍が、「勝った!」「勝った!」と言った。新聞がそれを誇大に書きたてた。それが悪いのか。
新聞の宅配制度は日露戦争の時に始まったという。肉親が、郷里の人々がどう戦っているか。日本はいかに戦っているか。それを伝えるのは新聞だけだった。全 国民の眼となり、耳となっていた。新聞の方だって、読んでもらうために、(失敗や悪いことは載せないで)華々しい戦果ばかりを載せる。そして、「間違った 大勝利」を作り上げた。
そういった、日本の過ちと反省について話し合った。こんな話をしてると、「反日的だ」と批判されるかもしれない。
しかし、日本の失敗した点、悪い点を見ないのは、「見る勇気」がないからだ。それでは本当の愛国心ではない。長所も短所も見て、その上で、いとおしいと、抱きしめるのが愛国心だろう。』
『『通販生活』は、さらに「山椒言」という巻頭言がよかった。菅原文太さんが書いている。
〈日本人はアジア人。アジアの隣国同士が融和して、EU(欧州連合)ならぬAU(アジア連合)をつくる方向へ進むべきだよ〉
…〈中国も韓国も反日ばかり言っている状況でAUをつくるなんて夢物語だ、みたいに思う人もいるだろうけど、反日の遠因は、日本人が過去の侵略戦争についてきちんと歴史を検証していないからじゃないのか。
満州事変から日中戦争が終わるまでの中国人の犠牲者は、大変な数だったらしい。
韓国だって、日本が一方的に併合してしまったわけだろ。
もう謝ったんだからいいじゃないかと開き直るんじゃなくて、かつての非は非として認めて、これからは同じアジアの隣人同士、融和の道を進むべきだよ〉』

2014年3月12日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【245】

☆東日本大震災から3年。
まだまだ傷は癒えず、問題は山積した状態です。
そして、原発事故の被害は静かに確実に広がっています。
原発再稼動やオリンピック開催のできる余地はこの日本のどこにもないんですが。
原発幻想は完全に捨て、もっと現実的でまともな考えで社会を作らなければ。

◎【ニュース】”怪力 孫正義、太陽光発電所10ヶ所作り "更に8ヶ所作る"”(3月11日 ハンギョレ新聞日本語版http://japan.hani.co.kr/arti/international/16902.html
<要約(原文は上記アドレスにアクセスしてご覧ください)>
ソフトバンクの子会社であるSBエナジー(ホームページhttp://www.sbenergy.co.jp/)は3.11福島原発事故以来、脱原発を懸命に進めているソフトバンク孫正義社長の設立した再生可能エネルギー発電会社だ。
2016年に電気事業法は改正されSBエナジーのような特定規模電気事業者にも小売販売が可能になる。
現在、SBエナジーは日本各地10ヶ所で太陽光発電を行っている。さらに北海道、島根県、新潟県など8ヶ所で太陽光、風力発電所の建設を予定している。
2014年3月11日現在の発電量は2970万6760Kwh、総発電容量は65.2MW。
「発電容量を100MW級原子炉3基に該当する291.7MWまで増やす計画」
2012年8月にはSBエナジーで発電した電力を販売する会社SBパワーが設立された。
2016年以降、家庭向けに電力を販売していく予定だ。
「2016年に小売販売が始まった後、どんなサービスを提供するかを会社でも研究中だ。今は主に太陽光と風力発電だけに特化しているが、地熱やバイオマスなど多様な再生エネルギー発電を導入する方案も研究中」

2014年3月5日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【244】

☆3月10日は東京大空襲の日。
米軍による空襲、原爆投下は、日本の右派の人たちがよく言うように、その非人道性は裁かれるべきことです。
そして、それを東京裁判で裁かなかったことは、東京裁判がアメリカの思惑で動いていた裁判であると思わざるを得ません。
日本の罪ももっと裁かれるべきことはあったのに中途半端に終えてしまった。
これも、アメリカが次の戦争をしたかったがためと、後の歴史を見れば明らかです。
日本の右派は『空襲、原爆投下の罪はもっと追及すべきだ』イコール『南京大虐殺はなかった』と言う理論を持ってる人が多いようです。
しかし、これは間違いです。アメリカもやったが日本もやったのです。
空襲、原爆投下の罪はしっかりと追及すべきですが、南京大虐殺、重慶空爆を含む多くの日本が行った非人道的行為も追及されなければいけません。
似たような理論を言っているのが、橋下大阪市長と籾井NHK会長です。
「慰安婦制度は日本だけにあったんじゃない」この言葉の続きには「だからやってもいいんだ」と言う文句が潜んでします。
ロシアのプーチン大統領も同じです。
「アメリカが(軍事介入)やってるんだから、自分たちがやってもいいでしょ」と。
”された”から”してもいい”と言うことにはならないし、”みんながしてるから自分もしていい”と言うことにもならない。
やっちゃダメなことはいかなる理由があろうとダメなんです。

◎【ニュース】”東京大空襲 69周年…朝鮮人死亡者 1万人 慰霊祭”(3月2日 ハンギョレ新聞日本語版http://japan.hani.co.kr/arti/international/16824.html
<要約(原文は上記アドレスにアクセスしてご覧ください)>
3月1日、東京大空襲・戦災資料センターにて約100人が集まり、東京大空襲で亡くなった約1万人の朝鮮人を追悼する集会が行われた。
3月になると日本各地で東京大空襲の追悼会が催されるが、朝鮮人被害者についてはあまり知られていない。
朝鮮人の追悼会も2006年から行われるようになった。
東京の祐天寺には北側である現在の朝鮮民主主義人民共和国側出身者の遺骨(431柱)が保管されている。2010年まで南側の現韓国出身者も祀られていたが、韓国政府と日本との交渉により全て韓国に引き渡された。
現在は北側出身者たちの遺骨だけが残っている。

2014年2月26日水曜日

水曜企画-ハルモニと​共に【243】

☆特定秘密保護法の先には集団的自衛権があり、その先にはまちがいなく戦争が。
なんとしてもその道を回避しなければ。

◎【コラム】”国会の葬式”(2月24日 中国新聞http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=34470&comment_sub_id=0&category_id=143&category_list=143&localfrom=column&pl=5961970989
<要約(原文は上記アドレスにアクセスしてご覧ください)>
22日、高知市で100人ほどが参列し葬式が行われた。
遺影は「国会議事堂」。国会の葬式だ。
「特定秘密保護法を成立させたのは議会政治にとって自殺行為だ」として元国会議員たちの呼びかけで挙行された。
この手本は132年前の「新聞の葬式」。明治憲法を批判した高知の新聞社が発行禁止の処分になったことに対する抗議として紙面を棺に入れて歩いた。
与党はおごり、野党はそのおごりを追及しきれない体たらく。
国会が正しく機能するために奮起しなければならない。

2014年2月23日日曜日

2014年2月の学習

映画戦時下の軍機保護法・治安維持法(=秘密保護法)に学ぶ
戦時中の法律によって引き起こされた事件を振り返り、秘密保護法を強行採決し、改憲に向け暴走する安倍政権の劣悪さを学びます。

◆”レーン・宮沢事件~もうひとつの12月8日”(ビデオプレス製作 DVD)
ビデオプレスホームページ http://vpress.la.coocan.jp/miyazawa.html
『日本が真珠湾攻撃を開始した太平洋戦争開戦日の1941年12月8日早朝、外国人を中心に多数の人々がスパイ容疑で検挙された。
この時、北海道大学学生2年の宮沢弘幸さんと北大予科の英語教師ハロルド・レーンさん、妻のポーリンさんの3人が軍機保護法違反などの疑いで逮捕され、それぞれ懲役12年から15年の刑を受けた。
獄中で宮沢さんは網走刑務所で激しい拷問を受けている。
旅行好きの日本青年と米国人教師との人間的交友がスパイとされ、かれらの人生すべてが打ち砕かれたのだった。
宮沢さんは1945年10月釈放されたが、獄中で結核を患い1年4ヶ月後に死亡した。この知られざる事件の真相を追ってビデオ制作チームは、アメリカ・イタリアまで取材し、その全貌をはじめて映像化した。』

◆”そもそも総研「今の秘密保護法案、悪用されないと言い切れるんですか?」”(テレビ朝日「モーニングバード」2013年10月31日放送分)
 


◆”そもそも総研「今もう一度、治安維持法から学ぶべきことがあるのでは?」”(テレビ朝日「モーニングバード」2013年11月14日放送分)

2014年2月19日水曜日

水曜企画-ハルモニと​共に【242】

☆韓国では「慰安婦」問題がニュースにのぼらない日はありません。
そして、韓国のあちらこちらの博物館や資料館では日本の植民地支配の劣悪さが示されています。
被害を受けた人は受けた被害を更によく知り、被害を与えた者は与えた被害を知らないままです。
被害を与えた者が最も与えた被害を知らなければいけません。
日本人が日本を最もよく知らなければ。

◎【ニュース】"「日本軍が慰安婦強制した事実は否定できない」、オランダ人もインドネシアで被害─中国メディア"(2月19日 新華経済http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/373852/
『中国・人民日報の報道によれば、オランダ国際ラジオ放送(RNW)の中国語電子版がこのほど、「オランダも日本ファシズムの被害者だ」と題した記事を掲載した。
第二次世界大戦中にインドネシアで旧日本軍の暴行を受けたオランダ人について紹介。
「日本軍が慰安婦を強制徴用した事実は否定できない」としている。中国婦女報が18日伝えた。
報道では、インドネシアでの慰安婦の歴史をつづった「慰安婦」のタイトルの著書を持つオランダ人記者が、「一部の日本人は従軍慰安婦の存在を認めようとしないが、これらの証拠の前では否定できない」と強調。
著書は多くのデータ、文書を元に現地で被害を受けたという慰安婦女性たちについて伝え、慰安婦が制度化されていたことを示しているという。
報道では「日本がインドネシアを占領していた頃、多くのオランダ人女性が慰安所に連れて行かれ、日本の軍人に性的サービスを提供するよう迫られた」と紹介。
「3オランダと中国には当時、共通の敵がいた。
アジアの国を解放すると主張しながら残忍な行為をした日本だ」と伝えた。(編集翻訳 恩田有紀)』

2014年2月12日水曜日

水曜企画-ハルモニと​共に【241】

◎【現地レポート】”日本軍「慰安婦」問題解決のための 第1113回 水曜デモ”
於 ソウル日本大使館前 12:00~13:00
今日は少し寒さもましで、天気もいい中、水曜デモが行われました。
参加されていたハルモニはキム・ポクトンハルモニとキル・ウォノクハルモニ。
フランスのアングレーム国際漫画祭に出品した漫画を描いた漫画家たちも参加。
他、日本からは日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表梁澄子さん。そして靖国神社に行ってきたと言う学生たち。
経過報告の中ではもちろん、村山元総理の訪韓について言及していました。
挺対協から論評も出ていて、決して歓迎できる訪韓ではないと。
村山元総理に関しては、「慰安婦」問題の国の責任を「女性のためのアジア平和国民基金」によって”金”の問題にしてしまったと。
韓国内の政治的な思惑もある中で韓国・正義党の村山元総理招聘となったようでもあるし、挺対協のいうことを理解します。
ただ「女性のためのアジア平和国民基金」が設立された時の政党間、政党内等の様々な葛藤を知ると、頭から村山元総理のことを否定するのも違うような気がします。
違うと言うか、もったいない。
基金を作った時、決して、”金で解決”しようとしたのではなく、どうにか被害女性に補償できないかと真摯に考えた政治家たちもいたことを知れば、今回村山元総理がこうして国際的に表立って出てきたことを、否定して拒否するのではなく、いのち綱の一本として考えることができるのではないでしょうか。

カチンコドキュメンタリーフィルム「空色の故郷」
製作・著作 金素榮/日本語字幕製作 ビデオ工房AKAME / DVD 93分/2000年 韓国
『旧ソ連で、沿海州に住むコリアン20万人が中央アジアに強制移住された。
《アジアのピカソ》と呼ばれる画家シン・スンナムが描いた畢竟の大作「レクイエム」は、その悲劇を再現する。
生存者による証言、アーカイヴ映像で明らかにされた貴重なドキュメンタリー。
観客は3×44メートルの知られざる傑作「レクイエム」に圧倒されるだろう。』

2014年2月5日水曜日

水曜企画-ハルモニと​共に【240】

◎【現地レポート】”日本軍「慰安婦」問題解決のための 第1112回 水曜デモ”
於 ソウル日本大使館前 12:00~13:00
立春寒波の中、旧正月明け最初の水曜デモが行われました。
参加していたハルモニはキム・ポクトンハルモニとキル・ウォノクハルモニ。
学生たちが多く参加していました。
デモ参加者と大使館の間の道路を通る車から、「ハルモニたちに謝罪を!」と大きな声でデモに激励の言葉を残していったおじさんがとても印象的で、デモ参加者の中からもふっと笑みがこぼれていました。寒空の下でしたが心が温かくなった瞬間でした。
そしてデモの声明文にも書かれていましたが、やはり、NHK新会長の発言について活動経過報告の中で言及されました。
「歴史を知らない人はバカだ」
と言うユン・ミヒャン挺対協常任代表の言葉にうなづくばかり。
1月26日にファン・クムジャハルモニが亡くなられ、また中国の「慰安婦」訴訟の原告である被害女性・陳林桃ダーニャンも亡くなられ、どんどんと寂しく、つらく、厳しくなってきています。

◎【訃報】ファン・クムジャハルモニ(挺対協より)
『日本軍「慰安婦」被害者ファン・グムジャハルモニが1月26日午前1時30分に亡くなられました。(享年91歳
ハルモニは1924年にハムギョン道で生まれ、13歳ごろにハムギョン北道フンナムのガラス工場で働き、約3年後に間島地方で戦争が終わるまで日本軍「慰安婦」生活を送りました。
解放後、家族親戚のいない(分断線の)南側に定着し、日本軍「慰安婦」被害の後遺症で対人忌避症となり寂しい一人暮らしをしてきました
簡単には人を信じず人間関係を断絶し生きてきました。
日本軍「慰安婦」被害者に申告後もハルモニは公開活動をしませんでした。
勤勉で有名なハルモニは古紙回収でためたお金を貯金し、政府からの生活支援金も使わずあつめ、2006年から地域の区庁に奨学金として寄付しました。
未来世代のため全財産を寄付したハルモニにはつつましい賃貸アパートだけがすべてでした。
ファン・グムジャハルモニが亡くなり、生存者は55人になりました。』

◎【訃報】陳林桃ダーニャン(第1次中国人「慰安婦」訴訟弁護団より)
『1995年、第1次中国人「慰安婦」訴訟の原告 陳林桃さんが1月29日自宅でなくなりました。
陳さんは1923年山西省う県侯庄村で生まれ、15才で結婚して羊泉村で生活していましたが、夫が八路軍に参加し、夫の両親と羊泉村で生活していた1943年旧暦7月ころ、村の川で洗濯しているところを日本軍兵士に捕まりました。
そして同じ日に李庄村で捕まった侯冬が(女篇に我)とともに進圭村に連行されて監禁され日本軍兵士から性暴力をうけました。
捕まった最初の日に日本軍兵士から「夫の居場所を言え」と言って拷問を受け、そのとき大腿骨を骨折しました。
一緒に捕まった侯冬がの世話になりながら約20日間監禁され、その後解放されましたが、重度のPTSDと骨折による大腿骨の変形が後遺症として残っていました。
陳さんは、提訴の時から肺気腫を持っていて、片肺が機能せず呼吸が辛そうでした。
どうしても日本へ行って被害を訴えたい、という強い希望を、私は陳さんのこの病状から現地の病院でも診断して戴きましたが、無理と判断し、中国人「慰安婦」事件の6人の原告の内ただ一人、来日できませんでした。今になってみると、あんなに直接裁判所で訴えたいと言っていた陳さんの希望に添えなかったことをとても苦しい思いで思い出しています。
これで6人の原告の内、ご存命なのは李秀梅さんただ一人になってしまいました。』

2014年1月29日水曜日

水曜企画-ハル​モニと共に【239】

どうしてこうも破廉恥な人たちばかりなのか。
NHK新会長は大阪市長とまったく同じことを言った。
多くの人たちが彼らと同じことを思っているだろう。
その最たるものが安倍首相だ。
過去の戦争を正当化し(靖国参拝)、政府に異議を唱えることを禁じ(秘密保護法案強行採決)、言論を”政府の口”する(NHK新会長就任)。
そして戦争ができるように憲法を変えようと着々と進んでいる安倍
そうやって戦争ができるようになった先にあるものは何?
日本人の誇り?
そんなものはない。ほんの一握りの誰かが莫大な利益を得る。そんなことだけ。
国民はもとより、その莫大な利益を得た人にですら、幸福は訪れないだろう。
私たちは戦争を知っている。もうだまされてはいけない。

◎”籾井勝人NHK新会長の発言に抗議する”アムネスティ声明(1月29日)
2014年1月25日、籾井勝人NHK新会長は就任会見において、「慰安婦」問題について
「どこの国にもあった」、
「慰安婦そのものは今のモラルでは悪い。じゃあ、従軍慰安婦はどうかと言うと、そのときの現実としてあった」。
「戦争してる国にはどこでもあった。ドイツになかったか、フランスになかったか。そんなことはないでしょう。ヨーロッパはどこでもあった」、
「あったはずですよ。ないという証拠もないでしょ」、
「それで従軍慰安婦の問題を云々されると、それはちょっとおかしい」などの発言を続けた。
この発言は、公共放送の会長職にある公人が、政治的な意図をもって、事実を歪曲し、戦時下における組織的な性暴力と性奴隷制を肯定し、国際法上の重大な人権侵害の責任を否定しようとするものである。
アムネスティ・インターナショナル日本は籾井会長の発言に強く抗議する。
1930年代初めから第二次世界大戦の終結まで、日本軍性奴隷制の下、多くの女性が日本軍によって自由や権利を奪われた中で、数カ月または数年にわたって強かん、拷問、虐待を受けた。
日本軍性奴隷制は、日本政府および軍が設置、管理等に組織的に関与しており、また台湾を含む中国全土、インドネシアやフィリピン、太平洋上の島々、シンガポール、マレーシア、ビルマ(ミャンマー)、東ティモールに至るまで、広範囲かつ大規模に展開していた点において他に類を見ない。
女性を奴隷化し性暴力を繰り返すこのような行為は、当時の国際法(国際条約および国際慣習法)で確立していた「奴隷制の禁止」に違反し、また戦争犯罪および人道に対する罪としての強かんに該当する。
さらに、日本が1932年に批准した国際労働機関(ILO)の強制労働条約にも違反している。
日本軍性奴隷制は、当時の国際法においても重大な犯罪であり、今も解決されることなく、日本の対応が国際社会から問われている問題である。
こうした事情を踏まえて、自由権規約委員会、拷問禁止委員会、女性差別撤廃委員会など複数の国際人権機関は、「慰安婦」たちに対して正義を実現するよう、日本政府に繰り返し要請している。
アムネスティ日本は、性奴隷制という国際法上の重大な犯罪および被害者への正義の実現を否定する公人の発言が繰り返されていることを強く非難する。
このような発言が出てくる背景には、日本軍性奴隷制の加害責任に向き合わず、生存者一人ひとりへの謝罪と賠償をしないまま、事態を放置してきた日本政府の姿勢がある。
国連の条約諸機関は、日本の公人による発言を懸念し続けている。
例えば2013年5月に行われた拷問禁止委員会による日本政府報告審査では、その最終所見において、「政府当局や公人による事実を否定し、またそのような否定を繰り返すことによって被害者に再び精神的外傷を与えようとする試みに反駁すること」という勧告がだされた。
拷問禁止委員会はまた、性奴隷制の犯罪に対する法的責任を公に認め、被害者への完全かつ効果的な補償するよう勧告している。
繰り返される発言は、日本政府の国際的な評価を貶める結果となっており、なによりも、沈黙を破り勇気を持って語り始めた生存者の尊厳を深く傷つけている。
日本政府は、籾井会長も口にしたように、「日韓基本条約で国際的に解決している」としばしば主張する。
しかし、日韓基本条約は、国家間の請求権の処理を規定するのみで、もともとある被害者個人の請求権を消滅させるものではあり得ない
同条約では性奴隷制の問題は想定されていなかった。
未だに生存者たちに対する公の謝罪も補償もなされていない以上、日韓両国はこの問題ついて具体的な協議を直ちに開始すべきなのである。
アムネスティ日本は、日本政府に対し、このような公人の発言を許さず、国際社会からの勧告に従い、次のことを直ちに実行するよう要請する。
・ 公人による、性奴隷制の事実や責任を否定する発言に対して、公式に反駁する
・日本軍性奴隷制の生存者が納得する方法で、彼女たちが被った損害を公に認める。また法的・道義的責任を全面的に受け入れる。
・生存者に対し、旧日本軍が犯した犯罪について全面的に、はっきりと謝罪する。
・日本政府は、国際基準に適った、十分かつ中身のある補償を、生存者が同席する場で、直接、彼女たちに示す。
第2次世界大戦に関する歴史の教科書に日本軍性奴隷制度について正しく記載する。

2014年1月22日水曜日

水曜企画-ハル​モニと共に【238】

今一度、隣国と手を結び、互いに発展するために
戦争中、日本軍に「慰安婦」と言う名目で精神的・肉体的暴力を受けながら従事させられたアジアの女性達は、戦後も何十年と苦しい生活を続けてきました。
今から20数年前、既におばあさんとなったその女性達が「過去を反省しなければまた戦争が起こる。もう自分達のような辛い思いを、今生きる女性達に味あわせたくない」と勇気を出し、抗議の声をあげました。
毎週水曜日に韓国の日本大使館前で行なわれる、日本政府に“心からの謝罪と人権の回復”を求めるデモは1100回を越え、今も続いています。
しかし、日本政府は20年以上それを無視し続け、そして解決を促す国際社会の度重なる勧告も聞き入れてきませんでした。
特に、昨今の「慰安婦」制度を肯定する発言は、被害女性はもとより、全女性の人権を無視したものであると言わざるを得ません。
人権を無視し、過去の過ちも認めず、その結果隣国と手を結ぶことができない国に未来はありません。
すべての人権を尊び、過ちを反省することにより他国と共に繁栄できるのではないでしょうか。
女性に対する暴力は今も世界の戦場で、基地のある国で絶える事がありません。
「慰安婦」問題は過去だけの話でも、よその国の話でもありません。
もし、その被害女性が自分なら、恋人なら、妻なら、娘なら、孫なら、どんな気持ちになるでしょう。
身近な問題として考えてみてください。

◎【ニュース】"「立ち姿」の慰安婦少女像 慶尚南道・巨済で除幕"(1月17日 朝鮮日報http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/17/2014011703083.html)
『巨済の少女像は、ソウルの日本大使館前とソウル近郊・
京畿道高陽市の湖公園にそれぞれ設置されている少女像に続く、韓国で3番目の慰安婦を象徴する銅像。
…… ほかの2体と違い立ち姿だが、これは「戦争犯罪である慰安婦問題を謝罪するどころか認めることさえせず、歴史の歪曲(わいきょく)と隠蔽(いんぺい)を続ける日本政府の態度をこれ以上座視できない」との意志を表現している。』

◎【ニュース】"米上院でも「慰安婦法案」通過"(1月18日 朝鮮日報http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/18/2014011800458.html)
『米下院に続き、上院でも「
米国務長官は日本政府が2007年の慰安婦決議を順守するよう促さなければならない」という内容を盛り込んだ法案が可決された。
…… この内容は法的強制力のない報告書の形態だが正式法案に含まれ、米国務省の外交努力と日本政府の謝罪に圧力をかける上で大きな効果がある。
……バラク・オバマ大統領が署名すればすぐに発効する。』

◎【ニュース】"米法案「慰安婦」に言及、韓国で報道"(1月18日 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1800P_Y4A110C1NNE000/)
旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する内容を含む2014年度の歳出法案に、オバマ米大統領が署名したと報じた。
同法案は「07年の下院の慰安婦決議案通過に注目し、日本政府が問題解決に努力するよう国務長官に求める」と言及。』

2014年1月15日水曜日

水曜企画-ハル​モニと共に【237】

◎”YOいっション”発足(ブログ http://www.yoisshon.net/
”YOSHIMI裁判いっしょにアクション!”とは「吉見裁判」支援ネットワーク。2014年1月発足。
「吉見裁判」とは?
『2013年5月13日、橋下徹大阪市長は、「慰安婦制度が必要なことはだれでもわかる」と発言し、国内外の批判を浴びました。そのため橋下市長は特に外国のメディアに弁明しようと、外国特派員協会で5月27日に記者会見を行いました。
その場において、司会者が吉見義明さんの著書に触れたことに対し、同席していた日本維新の会の桜内文城衆議院議員が、「これはすでにねつ造であるということがいろんな証拠によって明らかとされております」と発言しました。
20 年以上にわたって日本軍「慰安婦」の実態を追求してきた吉見義明さんが、自著を「ねつ造」だと言われたのです。そのため、吉見義明さんは、その発言の撤回 と謝罪を求め、桜内議員に内容証明を送りました。
しかし桜内議員がこれに応じなかったため、損害賠償をもとめる裁判を提訴しました。
この裁判が「吉見裁判」と略称している裁判です。』

2014年1月14日火曜日

2014年1月の学習

”ひろしま”
一年のはじめに、今の問題としての”核と戦争”をあらためて考えてみます。
『”1953年製作幻の映画の再公開。この真実の映像を共有する事によって核廃絶を訴える。その気持ちが皆でもてた時 奇跡は起き、この世から核は無くなると信じている。”
自らも広島で被曝した教育学者・長田新が編纂した文集「原爆の子?広島の少年少女のうったえ」を、日本教職員組合が映画化を決定し、八木保太郎の脚色により映画化された本作は広島県教職員組合と広島市民の全面的な協力の下で製作され、多数の広島市の中学、高校と父母、教職員、一般市民など約8万8500人が手弁当のエキストラとして参加した。
その中には、原爆を直接経験したものも少なくなかった。
映画に必要な戦時中の服装や防毒マスク、鉄兜などは、広島県下の各市町村の住民から約4000点が寄せられた。
「ひろしま」で描かれている原爆投下後の圧倒的な群衆シーンの迫力は、これらの広島県民の協力なくしてはあり得なかっただろう。』(映画「ひろしま」奇跡への情熱Facebook http://www.facebook.com/movieHiroshimaより)
DVD"独立プロ名画特選 ひろしま" Amazonなどで販売(定価3990円)



【朝日新聞デジタルコラム】”(終わりと始まり)独裁と戦争 我々が決める 池澤夏樹”
(1月8日 
http://www.asahi.com/articles/ASG1644RKG16ULZU006.html『安倍政権の本質を露わにしたのが「デモはテロ」という石破自民党幹事長の発言だった。
国政の中枢にある人が主権在民の原理を理解していない。間違えないでほしいが主人は我々。我々があなたを雇ったのだ。
民主主義は選挙を出発点とするが、選挙結果は全権委任ではない。とりあえず預けただけであって四年間の勝手放題を許した覚えはない。官僚も議員も、我々が時期を限って権限を委託したに過ぎない。
尾が犬を振ってはいけない。決めるのは彼らではなく我々である。』(一部抜粋)

2014年1月8日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【236】

◎【コラム】”[特派員コラム] 我らが内なるヤスクニ/キル・ユンヒョン”(1月2日 ハンギョレ新聞日本語版http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/16402.html<原文は上記アドレスにアクセスしてご覧ください>
靖国神社は単なる宗教上の意味合いのみを有するものではありませ
ん。
国民を戦争に抵抗なく向かわすために作られた神話の偶像みたいなものです。
”美しく死んで国の役に立つ”
と言う精神を国民に植え付けるために。
故に、靖国は他国にとってはもとより、自国民をも欺き、傷を与えたものと言えます。
まず、私たちは靖国の問題を宗教の問題と思わないようにしなければなりません。
次に、A級戦犯合祀が問題だと言い切ってしまうと、それも本質的ではありません。
簡単に言えば、「靖国とは戦争を正当化する道具」と言うところでしょうか。
ハンギョレ新聞のコラムでは、このような観点から、日本だけではなく、アメリカにも韓国にも、それぞれの国の”靖国”が存在すると指摘しています。
さて、傷つけられた日本人は被害者ではありますが、同時に加害者でもあります。
戦争に参加したんですから。
これから、私たちは被害者にも加害者にもならないように思慮を深くしなければなりません。

ドキュメンタリー映画”SAYAMA みえない手錠をはずすまで”
監督:金聖雄(キムソンウン)
狭山事件を描いたドキュメンタリー
『”身に覚えのない逮捕から半世紀 32年の獄中生活をへて 今も無実を叫び続ける!”
1963年5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生が行方不明になり、脅迫状がとどけられるという事件がおきました。
警察は身代金を取りにあらわれた犯人を40人もの警官が張り込みながら取り逃がしてしまいました。
女子高校生は遺体となって発見され、警察の大失敗に世論の非難が集中しました。
捜査にいきづまった警察は、付近の被差別部落に見込み捜査を集中し、なんら証拠もないまま石川一雄さん(当時24歳)を別件逮捕し、1カ月にわたり警察の留置場(代用監獄)で取り調べ、ウソの自白をさせて、犯人にでっちあげたのです。
地域の住民の「あんなことをするのは部落民にちがいない」という差別意識やマスコミの差別報道のなかでエン罪が生み出されてしまったのです。』(SAYAMAみえない手錠をはずすまでホームページより)
 ---
映画『SAYAMA』製作委員会 http://sayama-movie.com/
各地の上映は http://sayama-movie.com/pdf/movie_info03.pdf

2014年1月1日水曜日

水曜企画-ハルモニと共に【235】

あけましておめでとうございます
2014年がはじまりました。
昨年は、てんびんにかけた戦争と平和の針がググッと戦争の方に振れて年末を迎えたという感じでしたね。
今年はどうにか踏ん張ってちょっとでも平和の方に傾くように頑張っていきたいです。
正念場ですから。

新年ですので、ちょっと心穏やかにお知らせをお届けします。

◎【お知らせ】高麗美術館 ”新春企画展 韓国刺繍博物館コレクション ポジャギ と チュモニ展  一針一針に想いを込めて「福」を贈ります”
『近年とみに脚光を浴びている韓国伝統のポジャギ。それら丹精を込めて作られた女性の手仕事による針と糸の造形には「韓国の粋」が溢れ、現代の人々を魅了しています。
本展では、韓国刺繍博物館(許東華館長、韓国ソウル市江南区)の選りすぐりのポジャギ40点とチュモニ(袋物、嚢、ポシェット)25点、そして高麗美術館のポジャギを展観します。』(高麗美術館ホームページhttp://www.koryomuseum.or.jp/2013/09/_201418330.htmlより)
日時:2014年1月8日(水)~3月30日(日)
場 所:高麗美術館(京都市北区紫竹上岸町15)075-491-1192 
入館料:一般500円・大高生400円

ブログ新しくなりました

旧ブログhttp://hanacocoro.dtiblog.com/から引っ越してきました。
よろしくお願いしますm(*^_^*)m