第167回 花こころ学習会 (自習)
もうひとつの9.11 チリ軍事クーデター
9月11日と言えば、まず2001年の「アメリカ同時多発テロ」を思い出すでしょう。
しかし、その28年前の1973年の9月11日にも大きな事件が起きました。チリでの軍事クーデターです。
世界で初めて自由選挙によって合法的に選出された社会主義政権(アジェンデ大統領の人民連合政権)を武力で倒して新自由主義的な経済政策を押し付けるべく、米国政府、米国多国籍企業等がチリ軍部を裏で操った事件です。
◆チリの歌手・ビクトル・ハラはクーデターを起こしたピノチェト軍事政権によって虐殺されました。
ただ歌いたいからといって歌いやしない 声がいいからってわけでもない
歌うわけは ぼくのギターに感情と理由があるからさ
このギターが 大地の心と鳩の翼をもってるからさ
ビオレータ・パラが言ったように春の匂いをもった 働き者のギターなんだ
金持ち連中のギターとは それは似ても似つかぬもの
ぼくの歌は星々に届くための足場
真実を歌いながら死んでゆく者の血管の中で脈打つとき
ぼくの歌は意味を持つ
虚しいおべっかや外国で得る名声でもなく
それは土の底までも 届いてゆく革ムチの歌
全てのものがそこへたどり着き 全てのものがそこから始まる
勇気と共にあった歌は 永久に新しい歌なんだ
(
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/jara.html より)
◆軍事クーデターを起こした政権によって、政権批判の嫌疑をかけられて連れ去られ殺害されたり行方不明になった夫や息子を返してと、ダンスをしながら無言で抗議する女性たちの姿を英国のミュージシャン・スティングが歌にしました。
彼女たちはなぜ一人で踊っているのだろう
なんて悲しい目をしているのだろう
ここの兵士達はなぜ
石のように顔を強張らせているのだろう
どんな苦労を抱えているのだろう
行方不明の者と踊っている
死んだ者と踊っている
見えない相手と踊っている
心の痛みを叫ぶこともなく
父達と踊っている
息子達と踊っている
夫達と踊っている
一人きりで踊る 一人きりで踊る
これが彼女たちの抗議の唯一の手段
物言わぬ顔が絶叫している
言葉にしてしまったら
自分達も消されるから
また一人の女性が拷問台に乗せられる
他にどうすることもできない
行方不明の者と踊っている
死んだ者と踊っている
見えない相手と踊っている
心の痛みを叫ぶこともなく
父達と踊っている
息子達と踊っている
夫達と踊っている
一人きりで踊る 一人きりで踊る
いつか彼らの墓前で踊ろう
いつか自由を歌おう
いつか喜びに笑いあおう
そして踊ろう
いつか彼らの墓前で踊ろう
いつか自由を歌おう
いつか喜びに笑いあおう
そして踊ろう
行方不明の者と踊っている
死んだ者と踊っている
見えない相手と踊っている
心の痛みを叫ぶこともなく
父達と踊っている
息子達と踊っている
夫達と踊っている
一人きりで踊る
一人きりで踊る
やい、ピノシェさんよ
悪い種をまいちまったね
外国の援助で支えられてるのに
その金もいつかは止められる
拷問担当者に払う報酬も
銃を集める資金もなくなる
おまえさんの母さんが
見えない息子と踊る姿を想像してみろ
行方不明の者と踊っている
死んだ者と踊っている
見えない相手と踊っている
心の痛みを叫ぶこともなく
父達と踊っている
息子達と踊っている
夫達と踊っている
一人きりで踊る 一人きりで踊る
(
http://trauma422.blog.fc2.com/blog-entry-10.html より)